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2008年のJ1序盤戦

いやあ、今年は面白いと思う。
優勝候補と目されるお定まりのチームが出だしで躓いて、代わりにピクシー名古屋が台頭。それ以外にも樋口大宮、城福東京など心機一転のチームが面白いサッカーをみせてくれてリーグを引っ掻き回す。昇格組も京都が加藤久のもと変幻自在のサッカーをみせ、ヴェルディは話題に事欠かない。浦和と川崎は早期に監督交代。フッキの移籍。若手選手にしても、名古屋の小川、FCの大竹、ヴェルディの河野、京都の渡邊、大分の金崎などが輝きを放つ。こんなに変化に富んだシーズン序盤戦はなかなか見られない。

そんなだから、前半戦は強豪チームといえども勢いのあるチームに振り回されて上位独走なんてことはなさそうだ。もちろんシーズンを通した場合は選手層の厚いチームが有利になるだろうから結局のところ強豪チームが上位に名を連ねるだろうとは思うが、前半戦の潰しあいが影響して2005年のような大乱戦になるかもしれない。
最後までなかなか楽しめそうなシーズンになりそうだ。

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超人ハルクその後

●前回までのあらすじ
緑の軍団を率いてJ2の乱戦を制した超人ハルク。救世主と崇められるもヴェルディを後にし、今度はヴェルディの故国川崎の救世主となるべくJ1戦線開拓軍に身を投じる。しかしながら荒くれ者ぞろいの強国開拓軍ではハルクといえども新参者。関塚元帥の規律はいよいよ厳しく、居場所をなくしたハルクは失意のうちに川崎の地を去る。そんなハルクを迎え入れたのは背を向けたはずのヴェルディだった。今度こそ即位したハルクは因縁の神戸を撃破して雪辱を果たしたが、帰京すると今度は東京に根城を構えるもうひとつの東京、江府氏が攻めてくる。玉座を温める間もなくハルクは次なる敵に立ち向かう。

●ゲームすっ飛ばしてゲーム後
なんやろフッキ。あれは扱いにくい王様やで。ゴールを決めるんはええけど、ほかの仕事をまるでしよらん。特に後半30分過ぎてからの仕事放棄ぶりはひどかった。なにせパスを受けてもはたくだけでドリブルの影もみせよらん。疲れてるんは知ってるけど、点を取るんに専念させてもろとんやからゴールに向かう姿勢ぐらいは見せろや、てなもんで目の前で柴崎がボールを失ってもファーストディフェンスには入らんし、たらたら歩くどころか立ち止まって傍観してるし、王様の悪い影響を受けたんかレアンドロも同じやし、ヴェルディのDFはマゾでないと務まらんわ。

ゲームはこれはもうエフシーの勝ちパターン。追いついてスタ全体がノリノリになって勢い倍加で逆転ゴールを叩き込む。ここ数年ガンバがやられてるのと同じやね。エフシーは追いつかれてからが怖いっちゅー話や。

城福さんの目指すサッカーも今回はなんとなく分かった。ヴェルディのDFラインから前線の距離が間延びしてからの話やけど、崩しの時には前へ運ばれていくボールを中心に選手達の一団が前へ斜めへと動いてパスコースを作りながら雪崩れ込むようにゴール前へ迫ってる。狭い局面に人数を掛けすぎの大木サッカーをもう少しバランスをよくした感じかな。なかなか楽しい。で、その中心にいたんが大竹で、このルーキーが入ってから流れが変わった。服部が完全に押し込まれて起点を作れんようになってしもてたから効果絶大や。この大竹といい、今回は出場してなかったけどヴェルディの河野といい、両東京にもいい若手が育ってる。

そうそう河野といえばヴェルディの右のサイドハーフは壊滅的で河野、廣山、飯尾とレギュラーを張れる選手が三枚も離脱してるからにっちもさっちもいかん状態で、これはちょっと厳しかった。厳しかったっちゅーのは、だいたいヴェルディはDFラインから服部か福西にボールを渡して攻撃の起点を作ってるんやけど、逆サイドが全然動いてないからボールの出しどころが限られてて広い組み立てができん。レアンドロとフッキにばっかりボールが渡って、そこで潰されておしまい。レアンドロなんてこねるだけこねて囲まれてどん詰まりになってからバックパスや。何がしたいんかまるでわからん。つか、抜けもせんのに捏ねる選手なんぞ出して監督も何を考えとんねん。フッキに特権を与えたから他の選手にも注意できんようになったか?

てなことを考えてたらつくづくフッキは難しいと思う。得点力はあるけどチームが押し込まれてる時間に下がることもせんから中盤が間延びしてしゃーない。ボランチが間ぁを繋ごうと苦慮してる間に同点やから救われんで。しまいにボランチも諦めてDFラインの前に張り付いたけど、張り付いたら張り付いたらで梶山がフリーでバンバンええボールを入れよるから手に負えん。後半ロスタイムの失点なんかまんまその形やった。ポゼッションできてるときはええけど、それがアカンなったらここまでガタガタになるんやったらフッキなんかおらん方がマシやで。それでも外されへんし注意もできんのやから、とんだ王様や。

ま、ちゅーわけ。フッキには失望したゲームやった。

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大宮の嵌り型

●2008 J1 第5節 大宮アルディージャ vs 大分トリニータ

今シーズンの大宮はネット上で樋口監督のやり方が注目を浴びていたり、大分は大分でやはりシャムスカ采配と一目置かれていたりするから、このカードは楽しみだった。

大宮は中盤がフラットな4-4-2。昨年までは右サイドバックをやったりしていた冨田がレアンドロと組んでセンターバックにいる。中盤は斉藤と小林慶行のセンターで右に大悟、左に内田。藤本主税は怪我なのかベンチにも入っていない。

大分の方は3-5-2。U23代表の森重がスイーパーてのは知らなかった。注目点は負傷離脱していた高松の復帰。それから右ウイングバックに小林亮を入れてきたこと。右サイドでの差し合いはやや不利と見たのか。それにしても改めて振り返ると、大分の試合を生でまともに見た事なんてなかった。応援しているとどうしても自チームばかり見てしまって、対戦相手のやり方にまで気が回らないものだから、今シーズンのように「J1全チームを一度は生観戦する」といった目標を立てなければ観戦する機会さえなかったのだ。なのでシャムスカ大分とは何度か対戦したことはあるものの、腰を据えての観戦は初めてでこれには自分でも驚いた。

ゲームは基本的に大宮がペースを掴んだ状態で流れていく。大宮はよく訓練されたチームで、ボールホルダーに対して必ず2本のパスコースを作ってトライアングルを形成し、加えて外側の4人目によるフリーランの形が徹底されている。ボールホルダーにはサポートが付いているから、寄せられた場合や詰まった場合でもボールロストせずに攻撃を組み立てなおすことができるし、フリーランの選手にパスを通すことで一足飛びにチャンスを作る事もできる。連動性の高いシステムを採用し、そこに選手を嵌め込んでいる感じだ。

いっぽうの大分は、組み合わせの妙。特長を持った選手達を、相互に補完できるよう配置する事でチームに有機性を持たせる感じだ。監督の役割は選手の特長を見極め、適材適所に配置していくことだ。ちょうどジーコが日本代表監督をしていたときの形に似ている。ブラジル人の監督だとこういったやり方になるのかもしれない。

今回の大分はその意味で少しミスキャストがあったのかもしれない。大宮のプレスが高い位置から掛かるのは勿論の事だが、4-4-2のサンドイッチの場所になると更に苛烈さを増す。そのプレッシングの嵐の中だとウェズレイと高松が橋頭堡になれない。前半の中頃に金崎夢生がムールーレットで相手をかわしてフリーになったような、個人技でフリーになる状況でも作らない限り大宮のDFラインの前にクサビを打ち込めないのだ。だったら2トップはウェズレイと高松のコンビではなく、ひとりは裏への抜け出しを狙う選手だったほうがよかったのではないだろうか。

とはいえ真ん中がダメなら端から攻めればよく、その意味でサイド攻撃はどうだったかといえば、これはこれで大宮のDFラインを突破できない。またホベルト、エジミウソンのボランチもボールを持てはプレッシャーに晒され、出しどころを抑えられた状態になってしまう。要するに大分はアルディージャの型に嵌っていた。

したがって大宮が一方的に攻めまくっていたというわけでもなくて、大宮はパスこそ繋いでポゼッションを保つものの、ゴール前でのアイデアに乏しい。全体的な優勢を確保しつつも決定機がほとんどない状態でハプニングゴールでも決められるといきなり苦しくなりそうではある。

ただ、このゲームでは攻めあぐんでいた大宮に嬉しいサプライズが待っていた。前半終了間際、大分DF森重がサイドに出した組み立てパスを小林大悟がインターセプトすると、そのままデニス・マルケスへパス。デニス・マルケスは大分DFラインの眼前を横切るようにドリブルしつつサポートに入ってきた小林慶行へパスを出す。小林慶行へのパスはやや後方に流れてしまうが、それは小林慶行のサポートに走りこんでいた斉藤雅人へピッタリ。斉藤雅人が走りこみながらダイレクトで右足を振りぬくとコース、スピードともに申し分のないミドルシュートが巻くように大分ゴール左隅に突き刺さる!大宮が先制して前半を折り返す。

後半に入っても大宮が全体的優勢のペースを保つ。大分は攻め込もうにも攻め込めず焦れた展開が続く。その中での一瞬の気の緩みが失点に繋がってしまう。後半25分くらいから大宮の選手が続けざまにピッチに倒れこみ試合が中断。倒れこんだ二人目の内田が金澤に代わった直後のスローインからのパスが左サイド、タッチライン際を走っていたデニス・マルケスへ通り、デニス・マルケスはそのまま中央へ低いクロスを通す。クロスを受けた金崎がゴールを狙うがこれはバーを直撃、その跳ね返りをまたしても斉藤。ダイレクトシュートが大分ゴールを陥落させて2点目。いやはや、斉藤雅人の2ゴールなんて今までにあったかどうか(どうやら始めてだったらしい)。

大分が決定的なチャンスを作れるようになったのは左サイドに根本が投入されてから。出場してから試合終了までの約10分の間に二度左サイドを突破して大宮のGKとDFラインの間に低く速いクロスを通すが、大分のFW陣がこれに触れられず。ゲームはそのまま大宮の完勝で終了した。

●ポイント
大宮のシステムの勝利だったといえる。先制点を取られていればどうなったかは分からないが、先制点を奪うまでの時間帯もボールホルダーに対するサポートの徹底でヘンな奪われ方をするシーンはなかったし、ポゼッションを高めることでリスクを低く抑えていたため、試合全般を通じて決定的なピンチはなかった。大分についてはサブの選手の特徴まで把握していないためよく分からないが、根本の投入がもう少し早ければ事態は変わったかもしれない。

●大宮アルディージャ
前述のとおり、よく訓練されていると思った。いっぽうでチャンスを作れない点が気にもなった。今節のような敵のミスに乗じた突発的なゴールももちろん有りだが、採用しているシステムから考えるとポゼッション状態から敵陣を崩してのゴールを目指していると思われる。しかし現時点ではそこまで至っていない。そのあたり、チーム構築の進捗が少し遅いのではないかという気がする。戦術をどう発展させていくのかは楽しみであるが、発展する前に負けが込んだ場合を考えると不安にもなる。

●大分トリニータ
昨シーズンの話である。シャムスカ監督は名将との誉れが高いが、昨シーズン前半は思うような成績を残せず、J1残留へ向けてホベルトとエジミウソンを再獲得するに至った。そこでなぜシャムスカでも駄目だったのかと疑問に思っていたのだが、このゲームを見ると、シャムスカとはどうもオシムのように戦術指導を行うコーチとは違い、選手起用の巧みさとモチベーションコントロールでチームを乗せていくタイプのコーチかな、と思った。だからそもそもの駒が揃わないとチームの編成にも苦慮するのではないか、と。今回の場合はその選手起用が嵌らなかった。高松とウェズレイというボールの収まる2人を起用して前線にクサビを打ち込もうと目論んでいたと思うが、それは大宮のプレッシングの前に瓦解した。特にウェズレイには往年の力強さが既になく、少し当たられるとコロコロ転がってしまう。そのあたりに誤算があったのではないか。
ただシャムスカ監督の場合、対戦相手の分析は優れているから今後も監督次第、となるだろうか。そしてそんなサッカーに未来はあるのか、と一抹の不安は覚えた。

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打たねば響かず

●2008 J1 第4節 東京ヴェルディ vs ジュビロ磐田

いやあ、いいものを見せてもらった。何がって名波。サックスブルーに身を包んだ名波のプレーなんて生ではずいぶん久しぶりだ。おまけに名波が出てゴンが出て、ヴェルディには福西と服部がいる。同窓会的雰囲気が漂ってそれはそれで面白い。

それはともかく。
ゲームに流れなんてあっただろうか。とにかくヴェルディが押した。最初から最後まで、ほぼ全ての時間帯で押し込んだ。しかし勝ったのはジュビロだった。

前半のヴェルディの失点。これはGK土肥の判断ミスだった。抱え込んでキャッチングできるボールをパンチングして、ゴール前に乱戦状態を作ってしまいゴールを決められた。
後半のヴェルディの失点。名波のFKがDFに当たり、土肥が届かずゴールイン。どちらもしょうもない失点だった。

ゲーム開始から押し込んだのはヴェルディだった。平本を頂点にした4-2-3-1の中盤でボールを奪取し、パスを繋いで組み立てる。組み立ても、さすがのヴェルディで難しい体勢でもよく繋ぎながら逆サイドまで持っていきそこへサイドバックが絡む。特に左サイドバックの服部は、縦への突破こそできないものの気の利いたパス、精度の高いクロスでチャンスを創出する。また、右サイドハーフで先発した河野はキレのいいドリブルで幾度となくサイドを破る。

しかし、どれほど押し込もうとも、いかに絶妙なパスが供給されようとも、それを得点に結びつけるはずのヴェルディ攻撃陣は臆病だった。数多のシュートチャンスに逃げパスを、スルーを選択してはチャンスそのものを潰してしまう。また組み立てに手数が掛かりすぎることでジュビロに守備を整えられてしまう。どれだけ泥臭くても1点は1点だし、めくるめくパス交換の果てにボールロストしたら点は入らない。ヴェルディがポゼッションしながら、しかして攻めあぐみながらゲームは磐田のリードで流れていく。

中盤を支配され、押し込まれて続けていたジュビロの風向きが変わったのは名波が入ってからだ。名波にボールが収まると、キープしながら味方が押し上げる時間を作り、上手く散らして攻撃に持っていく。衰えたとはいえ、攻撃の流れを作る巧みさはさすがに名波だった。そうして得たFKから2点目を上げるが、いっぽうで前線にボールが収まるが故にジュビロは全体が上がり気味になって、空いたスペースを平本に使われる。平本のゴールはまったくのカウンターからで、飛び出してきた川口の目の前でチョンとボールを蹴り上げてゴールへ流し込んだ。

あれほどのポゼッションが得点になんらの寄与もせず、一本のカウンターが点に結びつくあたり、ヴェルディにとってはトホホだろう。その後も押し込むヴェルディ、守る磐田の構図に戻ったが、磐田は犬塚を入れて中盤守備の強化を図り、ゴンの投入でボールの出どころへのプレスを継続させ試合を終わらせにかかる。おかしかったのはスクリーンプレーをしていた磐田の選手に膝蹴りを食らわせた福西へむかってゴンが掴みかかるシーン。福西のプレースタイルをいちばん知悉しているはずの磐田の宿将を以ってして許し難い福西とはいったい…。
ゲームはそのままの流れでジュビロの勝ち。しかし勝者であるジュビロにしても見るべき箇所がほとんどなかった寒いゲームだった。あれでよくガンバに勝てたな、とさえ思ったくらいだった。

●ヴェルディ
このゲームでの攻撃陣の消極性を見ると、フッキ獲得も納得できる。あれだけシュートを打たなければ勝利の女神も裸足で逃げ出す。フッキの加入でサッカーの土台が崩れかねないとも思ったが、2列目の選手たちをフッキの召使にしてしまえば元が上手い選手が多いだけにそれなりに機能しそうな気がする。

●ジュビロ
名波とゴンと、ジュビロ同窓会は楽しんだが、それ以外にいいところがなかった。中盤を制圧されてしまったことで、守備に忙殺されてジュビロの形らしきものが見えなかった。いや、あるいはカウンター気味の速い攻撃がジュビロの特徴なのかもしれない。

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ポジティブな痛み分け

●2008 J1 第3節 FC東京 vs 京都サンガFC

城福監督になって「人もボールも動く」を標榜するFC東京。そして、前週ナビスコ杯の予選で浦和を相手に2点のビハインドをドローにまで持ち込んだ京都。なかなか興味深い両チームの対戦である。

●ゲームの流れ
開始して早々に京都のGK平井がやらかす。バックパスをミスキックしてプレスを掛けにきていたFC東京のFWカボレに渡してしまう。当然1vs1。ここは鋭い反応で難を逃れるが、そのCKからこぼれ球をFC東京の若きDF吉本に決められる。京都はいきなりビハインドを負ってしまう。

ただ京都のほうもこれで吹っ切った攻撃ができるかもしれないと期待をしていると、18分に今度は京都。CKからニアの選手とシジクレイを見せておいて、実際はひとやま越えた角田にドンピシャ。どフリー、きれいなヘディングシュートでタイスコア。

しかし前半はまだ、FC東京のほうが狙い通りのサッカーをしていたように思う。主に左サイドバック、長友を走らせて羽生とのコンビでクロスまで持ち込ませる。京都の方は、うまくボール奪取できたときに素早く前線に預けたいようだが、それがなかなかうまく機能しない。佐藤勇人と角田がなかなか出てこなくて、サイドバックの上がりも少ない。京都の右サイドバック、渡邊大剛は攻撃に優れた選手と認識しているが、この選手が前へ出てこれず、攻撃そのものに厚みがない。代わりにフォアリベロのようなシジクレイが忙しく働いている。しかし、シジクレイもやっぱりヘディングが衰えたなあ。CKで2回被り、前半終了間際の失点でもファーサイドの選手に引っ張られる形で赤嶺のマークを外して、決められている。2年前までのシジはゴール前の絶対者だったのになあ、寂しさを覚える。

そんなわけで前半終了間際にまたしてもCKからFC東京が決めて2-1。FC東京がリードして前半を折り返した。

後半頭から京都はパウリーニョに替えて田原を入れる。おそらく前線でのキープを期待してのことだろうと推測。ただ、これだけではゲームの流れが変わらない。FC東京は30番、大竹を中心に京都ゴールを脅かす。となるとサンガの加藤久監督、二の矢を継ぐ。角田に替えてアタリバの投入。するとその直後から京都が猛攻開始。FC東京を押し込んでゴール前で半包囲の体制を整え、クロスを入れてはセカンドボールを拾い、FC東京を亀状態にしてから最後は渡邊大剛。右脚を振りぬくとミドル一閃、ズドン!GK塩田、一歩も動けず、京都が再度追いつく。

京都はアタリバを守備的MFに入れたことで、シジクレイがスイーパーに下がり、両サイドバックが両ウイングバックのような形、そして田原の1トップで徳重と柳沢の2シャドーのような形。佐藤勇人はとにかく周りをフォローしまわる役目。ただ、この布陣はウィングバックの裏を攻めたてられて受けに回ると、5バックの形になって中盤、前線でのキープ力が下がる。FC東京はそのポイントを突いて攻撃を仕掛けてチャンスを量産するが京都の守備陣も踏ん張る。シジクレイとアタリバの両巨頭が制空権を握り、地上は手島と増島で締める。そうするいっぽうで柳沢に代わって入った林丈統からのピンポイントクロスが田原に入ってビッグチャンスを迎えるものの塩田がセーブしてと互いに譲らぬ展開となるが、後半35分。ついに京都が逆転する。

中盤でボールを持ったアタリバがフェザークロスを前線へ送り込むと、これを田原、ストライドの大きなランニングからボレーで東京ゴールへ突き刺す。アタリバがボールを出した瞬間「どこに蹴っとんねん」と思ったが次の瞬間には、うわあああああ!!!田原については「スケールの大きな選手」や「サボリ倒す選手」など等、毀誉褒貶の数々を知ってはいたが、こんなシュートを見せつけられるとただただ凄いとしか言いようがなくなる。2-3で京都が逆転。

田原が薩摩隼人らしいスケールの大きなプレーを見せると、FC東京のビッグスケール平山相太が登場。追いかけるFC東京が京都ゴールを狙う。京都のほうも一方的に押し込まれるでもなく一進一退の攻防を繰り広げていたが、今度はFC東京、右サイドの徳永が平井の位置を見てかゴール左隅を狙ってロビングを蹴ると、最初は高をくくっていた平井、ボールの行方を見るやおっとっと、たたらを踏んでキャッチングかパンチングか、思わずゴール正面にボールを弾いてしまうとそこに詰めていたのが今野泰幸。今度はFC東京が追いつく。

その後もFC東京が京都を攻めたてるが、それ以上互いにゴールを挙げることはできず痛み分けとなった。ただ、痛み分けとはいえ双方とも悪くない内容だっただけに、楽観的な様相のゲーム終了後だった。

●流れの分岐点
大きく流れが変わったのは京都がアタリバを入れて3バックに変更してから。京都はそれまでサイドバックだった二人をより攻撃的に前へ押し出して攻撃に絡ませる。これは前週のナビスコカップ浦和戦でも見られた采配で、特に攻撃的なサイドバック渡邊大剛が躍動を始める。加えてフォーメーションを変えることで敵陣に混乱を引き起こし、その間に押し込んでゴールまで奪ってしまう。能動的に流れを引き寄せるためのスイッチがアタリバ投入なのだろう。

●FC東京
光ったプレーヤーは30番大竹。運動量、キレ、パス精度の高さ、どれをとっても良い。更にはCKのキッカーも任されているから城福監督の信頼も厚いのだろう。その城福サッカーだが、いまひとつピンと来なかった。「人もボールも動く」と言うほどに運動量があったかと問われれば首を傾げざるを得ない。まだ局所局所での信頼関係が構築されていないのかも知れない。今野に関しては帰路友人と「今野はああいうところ(ゴール前への詰め)で手を抜かないねえ」と感心していた。

●京都サンガFC
2戦連続で3得点3失点と派手な試合。とはいえ、平井のミスがなければ平均失点を2以下にはできる。決して面白みのあるサッカーではないが、攻撃のオプションも持つだけになかなか油断ならない。しかし3バックにするはいいが、両サイドの裏を突かれて押し込まれると途端に元気がなくなるのも事実。佐藤勇人や角田が消え気味になって中盤がほとんど機能していなかったように思った。

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