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ガンバの東征 第二次関東征伐

七月の第一次東征では霞ヶ丘の地にてFC東京を相手に一歩も引かず、続く蘇我での千葉戦では苦しみながらもこれを撃破。そのままの勢いで関東を席巻するかに見えたガンバであったが、関東勢の離間の計にはまったバレーが造反。ひとたび帰阪して体勢を立て直し、改めて関東征伐と相成った。

八月の第二次関東征伐の緒戦は横浜が相手である。横浜といえば小机大要塞を拠点とする古豪であるが、今シーズンに限ってはまったく振るわない。とはいえ西野監督が示すように「ちょっとした掛け違い」で不遇をかこっているに過ぎず、底力のあるチームである。そこでガンバはまず小机大要塞の支城、三ツ沢を攻略し、そこを足がかりに小机大要塞を攻め落とす算段を立てた。

●三ツ沢攻防戦
三ツ沢ではナ杯準々決勝のセカンドレグが行われた。ファーストレグでは金沢に侵攻してきた横浜勢に押しまくられるものの平井の一撃にてこれを撃退。わずかながらガンバが有利な状況である。ところが「近を以って遠を待ち、佚を以って労を待ち、飽を以って飢を待つ」の諺どおり、三ツ沢に展開した遠征のガンバは動き鈍く、そのうえ守備の要である明神の負傷離脱によって病み上がりの寺田の起用など思い通りにならない。とうとう小宮山に一撃を加えられて先制を許してしまう。ところが苦しい戦いが続くかと思ったその矢先、二川の右脚一閃。スコア上では同点もレギュレーション上での大打撃を与えガンバが俄然有利になる。しかして横浜も決死の反撃に出て勢いすさまじく、防戦一方のガンバはロペスのロングシュートに打撃を与えられ、一点を巡る攻防になる。いよいよ勢いづく横浜に対しガンバは粘りの守備を発揮し、ぎろぎりのところで踏みとどまる。横浜もこれ以上三ツ沢で戦っても利あらじと城を棄てて小机に拠る。試合には負けたものの目標を達成したガンバも、この機会を失ってはならないと休息もそこそこに横浜を追撃し小机大要塞での決戦となる。

●小机夜戦
最大で七万人が篭城できる小机城は本邦一の大要塞である。夜半ともなればそこだけがまるで昼のように明るく、闇に浮いている不夜城の如き佇まいをみせる。ガンバはこの小机大要塞を攻め落とさんと夜陰に乗じて攻撃を掛けるも小机要塞はびくともせず、却って横浜勢の攻勢を呼び込んでしまう。横浜の攻撃陣は高さの大島、スピードの坂田、パスの兵藤。この三者が三位一体、あたかもひとつの武器のごとく連動して攻撃を仕掛けると、ガンバ守備陣めまぐるしく変わるポジションの入れ替えに右往左往。バイタルエリアに起点を作られると、今度はそこを足掛かりにボランチの山瀬、右のハユマ、左の小宮山の攻め上がってくる。横浜は右に出るとみせて左から仕掛け、左から仕掛けるとみせて右から攻める。ピッチを広く使いながらガンバ守備陣を半包囲の元に置き、寄せては返す連続攻撃。あたふたとその場凌ぎのガンバ守備陣をあざ笑うかのごとく右に左にボールを動かし、とうとう大島のヘッドで先制する。

●クーデター
前半のガンバの体たらくに憤怒を隠さなかったのが、自主解散したはずのガンバのサポグループBBの面々。BBは過日、スタジアム内で暴動の引き金を引いた罪で解散に追い込まれ、現在は一般サポーターの身分で観戦に来ていたが、後半の応援が始まって程なくガンビーノの応援を掻き消す格好でBBの応援を始めてそのままの勢いで応援の主導権を掌握し督戦する。するとガンバは後半から投入された山崎の働きもあって勢いづき、ただちに同点ゴールを決めてしまう。ガンバのゴール裏はいよいよ盛り上がり、ここ数年来見られなかった烈火のごとき応援を繰り広げるが、しかし激しい炎ほど早く燃え尽きるもの。前掛りになった裏を突かれてスピードスター坂田にゴールを決められると、その後のペース続かず、突発的なチャンスは作れるものの最後の最後で小机要塞の牙城を崩せないままタイムアップ。横浜二連敗となり、今回の遠征で横浜を圧倒させることができないまま、大宮への転戦となった。

●天地人
ガンバはBBのクーデターを鎮圧することかなわず、そのまま大宮の地にてアルディージャ戦を迎える。大宮といえば圧倒的な攻撃力で以ってガンバが優勝した2005シーズンですら敗退を余儀なくされた鬼門とも言える堅城であるが、この堅城、二年を費やして大改修を行い更に堅牢さを増した。地の利はなく、人の和もないガンバは降り掛かる豪雨の間隙を縫って大宮に攻めかからんとしたが、ちょうど攻め掛かろうとしたその矢先に晴れ上がり、天の時までも奪われる。そのうえ先のクーデターによる内部不和の影響は大きく、今回もBB督戦隊がコールの中心となるものの、彼らに否定的なサポーターたちによって明に暗にボイコットがなされる。またそれに呼応するかのようにガンバの調子も上がらない。中澤がラフリッチを放し、山口がレアンドロに競り負けて前半で二失点。主導権を握っても中澤、山口では後方からの組み立てが出来ず、下平は遠藤の意図を汲めず、佐々木は判断が遅く、山崎はただ走っているだけ。チームは組織として機能せず、危険なプレーもないままズルズルと時を重ねる。

後半に入って西野監督、矢継ぎ早に手を打ち、攻撃の支配権は常に手中に収めるものの、堅城という地の利を得、レアンドロを中心とする人の和を得、雨後の涼しさという天の時を得たアルディージャの前にガンバはチャンスを作れないまま虚しく時だけが過ぎ、とうとう何も得るところなくタイムアップ。惨敗を喫して引き上げるもその引き上げる段になって再び雷雨が降り掛かるものだから、これはもはや天がガンバを見放したに相違ないとて早々に帰阪する。


ガンバの第二次関東征伐は三連敗と惨憺たる結果に終わり、得たものはといえばナ杯の準決勝出場権のみ。首位との差は遠く残留争いを近くして、BBのクーデターによりサポの結束は失われた。事ここに至りてフロントもようやく腰を上げてBBのクーデター鎮圧に向かうが事態の末は見えぬ。チームも一時は最悪期を脱したかに見えたが、控えメンバーが第一線で戦うことの難しさを露呈した。今後しばらくは万博を中心にした戦いの中で態勢を立て直し、反撃の機を窺うより他になし。ガンバの戦いはまだまだ続く。

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